赤いライトで照らすと? 説明

 

 

この問題の解説です ↓

色と光

にじまる
突然だけどエリニャベスちゃん
私達が色を見るには、何が必要だろうか?

エリニャベス
え?
考えたことがないわ?
なんだろう・・・・・目?

にじまる
うん、一つは正解だ
あと二つあるんだけど・・・わかるかな?
今回はそのお話から、前回のライトのお話をするよ!

 

色はなぜ見えるの?

皆さんはわかりましたか?

エリニャベスちゃんは「目」と言いました

はい、正解です

しかし、実はあと二つ、色を見るために絶対に必要な要素があるのです

 

二つ目は

あなたは何を見るのですか?

赤いリンゴ?黄色いレモン?

そう、見る「物体(対象物)」がなければ当然色を見ることはできません

二つ目は「物体」です

 

三つ目は

昼間の太陽の下、夜は照明の下、私たちは色を見ることができます

では、暗闇だったら? 暗闇で色は見えるでしょうか?

真っ暗な場所では色の判別はできません

物体を照らすもの・・・太陽光や照明光を「光源」といいます

三つ目は「光源」です

 

「目」「物体」「光源」

この3つの要素が揃ってはじめて色を見ることができるのです

この3要素のうち「目」については、今回の問題には深く関係してこないので説明はしませんが、検定対策の記事でまた説明したいと思います

 

光って何?

光とは何でしょうか?

実は光は磁気を持った電気エネルギー・・・つまり「電磁波」の一種です

波紋などと同じように、波を打って進んでいきます

この波の山と山の長さを波長といいます

波長の単位はnm(ナノメートル)といい、これは10億分の1メートルという短さです!

その短いものから ガンマ線 エックス線 紫外線・・・ のように分けられています

その中で、約380nm~780nmの範囲の電磁波を人間の眼は色として感じることができます

この部分のことを「可視光」と呼びます

 

色はこの波長の長さによって変わります

これを発見したのは、万有引力で有名な ニュートン です

ニュートンは、プリズムというガラスで太陽光から色の帯を出しました

 

 

このように、左から入った太陽光をプリズムで屈折させ、波長の長いものから順番に分けることに成功したのです

つまり、太陽光にはこの色の全てが含まれていることになります

太陽光のように複数の波長によって構成されている光を 複合光 と呼びます

プリズムによって分けられた、これ以上分けられない単一の波長の光を 単色光 と言います

波長の長い色から 赤 橙 黄 緑 青 藍 紫(青紫)の順になります

 

光の成分を表したものを 分光分布 といいます

例えば太陽光なら

 

ざっくりですがこんな感じです

どの色もほぼ均等に含まれた複合光ということがわかりますね

 

ここでは、太陽の光が様々な色の複合体であることを覚えておいてください

 

 

物体の色

物体って、どうして色が見えるのでしょう?

例えば赤いリンゴには、赤い色が貼りついている?

 

いいえ、違います

 

色々な物体には、ある波長の光を吸収する性質と、反射(はね返す)・透過させる性質があります

「光」という言い方をすると難しく感じるかもしれないので、ここでは「色」と言いましょう

赤いリンゴの例でいえば、赤いリンゴは赤以外の色を吸収して赤をはね返しています

私達はそのはね返された色を見て「赤いリンゴ」と認識しています

 

青いものであれば青、黄色なら黄色をはね返すのが得意な物体を見た時に、私たちははね返された色を見て、「これは青だ」「これは黄色だ」と判断しているというわけです

 

物体がどの色(波長)をどの程度反射しているのかを表すグラフを 分光反射率曲線 といいます

反射率が高い程、その部分の色を多く反射していることになります

 

では、ライトで照らしていた「赤」「緑」「青」のうち、「赤」と「青」の分光反射率曲線を見ていきましょう

色がついているのでわかりやすいと思いますが、赤色の紙は赤色を多く反射し、青色の紙は青色を多く反射しています

緑の画像はありませんが、緑も同じように緑色付近の色を多く反射しています

 

ここでは、物体の色は物体に貼りついているのではなく、その物体が反射させた色であるということを覚えていてください

 

さて、ここからが本題です

 

では、なぜ赤いライトで照らすと青と緑は見えなくなり、赤だけが赤く照らされたのか?

これを説明していきますね

 

 

赤い色だけが見えた理由

 

太陽光は様々な色をほぼまんべんなく含んだ色の複合体であるというお話をしました

物体の色はその物体が反射させた色であるというお話もしました

 

さまざまな色をほぼまんべんなく含んだ太陽光の下で青を見ると、太陽の光に含まれているさまざまな色の中から「青」を反射させるため、私たちの目には「青」と認識されるわけです

見方を変えると

照らす光の中に「青」がなければ、「青」しか反射しない物体は何も反射できないのです

 

下の図は、今回使用した物と全く同じではありませんが、一般的な 赤いライトの分光分布 と、赤い紙、青い紙の分光反射率曲線です

ざっくりとした図なので、正確な図は専門書などをご覧ください

覚えていますか?

分光分布は、光の成分表

分光反射率曲線は物体が色を反射する反射率でしたね

 

分光分布と分光反射率曲線をまとめてみましょう

 

赤いLEDライトは太陽光とは大きく違い、特定の成分のみを持っています

橙~赤付近までの成分です

赤い紙を照らした場合、赤付近の成分しか持っていないライトで赤付近しか反射しない紙を照らすのですから、当然赤く見えます

では、緑や青を照らしたら?

赤付近の成分しか持っていないライトで青や緑付近しか反射しない紙を照らせば・・・反射したい色がないのでなにも反射できません

つまり、暗くなります

それがこの状態ですね

 

少し難しかったかもしれませんが、納得いただけたでしょうか?

 

それから・・・

エリニャベス
ねぇ、にじまる?
白い紙を赤いライトで照らすと赤くなるのはなぜ?
赤いライトで照らすと赤に、青いライトで照らすと青に、緑なら緑に見えるのはなぜ?

にじまる
それはね、白い紙は全ての色をまんべんなく高い反射率で反射しているからなんだよ
全ての色を反射するから、赤の成分しか持っていないライト、緑、青の成分しか持っていないライトなどは、その成分の色をほぼそのまま反射する

逆に、ほぼ全ての色をまんべんなく吸収するのが黒だ
反射しないから真っ暗なんだね

 

 

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